給与と年金の支給を受けている方のふるさと納税の限度額を控除シミュレーションを使って計算する方法をご紹介します。
生涯現役と言われる昨今の中で、お給料をもらいながらも年金の支給を受けている方も
多いと思います。
その中で、ふるさと納税に関心があるものの、限度額が分からない方も多いのではないでしょうか?
それもそのはず、インターネットの検索で見つかる限度額の計算方法はお給料のみの場合です。
それに年金を加えたらいくらになるかなんて書いてありません。
なので、こちらのページではお給料と年金を受け取っている方のふるさと納税の限度額の計算方法を
お伝えしたいと思います。
ただ限度額の計算方法をお伝えするだけでなく、控除シミュレーションを使って計算する方法を
お伝えいたします。
計算方法を簡単に順序立てするとこうなります。
手順(目次)
・給与所得を計算
・雑所得を計算(年金のことです。)
・所得控除額を計算
・控除シミュレーションに入力して計算
・この方法が面倒・難解という方はこちら
このようになります。
これらの数字を出すための手順を紹介します。
そのために、給与の源泉徴収票と、年金の源泉徴収票をご用意ください。
もし、年の途中で無い、という方は毎月の給料額や毎回の年金支給額に支給回数を乗じて年間給料の見積額、年間年金受給額の見積額を計算しましょう。
源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」が給与所得の金額ですので特に計算は必要ありません。
源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」を限度額計算で使います。
・年末でないため会社から今年の源泉徴収票がもらえていない方、
・年末時点で会社に属していないため、いない見込みのために年末調整を行わない方
がこちらに該当する方です。
以下の手順で給与所得を計算します。
手順1:1年分の給与収入を計算します。
現時点での状況に合わせてどちらかを選択するといいでしょう。
1年間同じ会社に属している方は前者、年末に会社に属していない方は後者になると思われます。
もちろん他に適した方法があればそれでも構いません。
・年間給料の見積額
・今年もらった給料の合計額(今年中にもらった源泉徴収票の「支払金額」の合計額)
手順2:給与所得控除額を控除して給与所得を計算します。
手順1で計算した金額から給与所得控除額を控除し、給与所得の金額を計算します。
(1)自動で計算する場合、(2)手動で計算する場合のどちらかを選んでください。
(1)自動で計算する場合
手順1で計算した金額をこちらのサイトの「年収」に入力して計算します。
こちら → カシオの計算サイト
年度をふるさと納税を行う年度にし、<受給者>の年収の箇所に手順1の給与収入を入力して、ページの下にある「計算」ボタンを押します。
これで計算された青文字の「給与所得控除後の金額」に書いてある金額を限度額計算で使います。
(2)手動で計算する場合
給与所得控除額の計算方法は下記に給与所得控除額の図と計算例を記載しておきます。
給与所得の収入金額 | 給与所得控除額 |
1,800,000円以下 | 収入金額×40%(65万円未満の時は65万円) |
1,800,000円超 3,600,000円以下 |
収入金額×30%+180,000円 |
3,600,000円超 6,600,000円以下 |
収入金額×20%+540,000円 |
6,600,000円超 10,000,000円以下 |
収入金額×10%+1,200,000円 |
10,000,000円超 | 2,200,000円(上限) |
計算例
給料が年間360万円で、賞与が140万円の年収500万円の方の場合
500万円なので、360万円超660万円以下になります。
そのため次のように計算されます。
500万円×20%+54万円=154万円
154万円が給与所得控除額となります。
そして給与500万円からこの154万円を控除した346万円が給与所得の金額、いわゆる給与所得控除後の金額になりますので、今回の例だと346万円が限度額計算で使われます。
なお、年収が1000万円を超えている方は一律220万円が給与所得控除額となるので、
年収1500万円の方も2000万円の方も控除される金額は同じ220万円となります。
給与所得の計算が終わりましたら次は雑所得です。
まず、公的年金か個人年金かで計算方法が異なりますので、どちらになるか確認が必要です。
公的年金は毎月払い続けた国民年金や厚生年金で、個人年金は生命保険会社に払った保険料が基になって払われるものです。
源泉徴収票が来ているものが公的年金、生命保険会社から通知のハガキが来ているものが
個人年金と認識すれば問題ないでしょう。
(1)自動で計算する場合
公的年金等の源泉徴収票に記載されている支払金額の合計額を確認してください。
今年の源泉徴収票がまだ届いていないときは「1回分の収入×年間の支払回数(6回)」で見積もり計算するといいでしょう。
その金額をこちらのサイトの「公的年金等の収入」に入力してください。
また、年齢も65歳未満か65歳以上か忘れずに入力しましょう。
こちら → 年金の計算サイト
(2)手動で計算する場合
公的年金の収入の年間の収入金額から公的年金等控除額を控除します。
計算方法は収入金額の合計額を次の表に当てはめて計算してください。
65歳未満の方と65歳以上の方で金額が異なりますのでご注意ください。
なお、平成28年の場合には65歳未満の方とは昭和27年1月2日以後に生まれた方、
65歳以上の方とは昭和27年1月1日以前に生まれた方になります。
4月1日までが早生まれなのと同じ原理ですね。
65歳未満
公的年金等の収入金額の合計額 |
公的年金等に係る雑所得の金額 |
70万円以下 |
0円 |
70万円超130万円未満 |
収入金額の合計額ー70万円 |
130万円超410万円未満 |
収入金額の合計額×0.75-37万5千円 |
410万円以上770万円未満 |
収入金額の合計額×0.85-78万5千円 |
770万円以上 |
収入金額の合計額×0.95-155万5千円 |
65歳以上
公的年金等の収入金額の合計額 |
公的年金等に係る雑所得の金額 |
120万円以下 |
0円 |
120万円超330万円未満 |
収入金額の合計額-120万円 |
330万円以上410万円未満 |
収入金額の合計額×0.75-37万5千円 |
410万円以上770万円未満 |
収入金額の合計額×0.85-78万5千円 |
770万円以上 |
収入金額の合計額×0.95-155万5千円 |
例えば65歳以上の人で「公的年金等の収入金額の合計額」が350万円の場合には、
公的年金等に係る雑所得の金額は次のようになります。
350万円×75%ー37万5千円=225万円
この225万円が、公的年金等に係る雑所得の金額となり所得税、住民税の金額の計算の基礎となります。
1年間の個人年金全てのハガキに書いてある収入金額の合計額から
同じく全てのハガキに書いてある必要経費の合計額を控除してください。
個人年金はこれだけです。
もし、個人年金と公的年金両方ある方は、先ほど計算した金額を合計して雑所得となります。
そして、給与所得と雑所得の金額を合計してください。
(1)給料の年末調整が済んでいる方の場合
給与所得の源泉徴収票の「所得控除の額の合計額」に年金の源泉徴収票の「社会保険料の金額」を加算してください。
その合計額が所得控除額の合計額となります。
もし、医療費控除があるなら、
「その年の医療費の見込額ー10万円」の計算式で計算した数字を加算してください。
(2)給料の年末調整が済んでいない方の場合
こちらのサイトで所得控除額が計算できますので計算していただければと思います。
こちら → 所得控除の計算サイト
このサイトの
・<配偶者>
・<扶養親族の数>(配偶者除く)
・<障害者の数>(受給者除く)
・<保険料等の控除>
を入力して、「計算」ボタンを押してください。
そして、計算された所得控除の額の合計額を限度額計算に使います。
ここまで来てようやく控除シミュレーションを使った計算が出来ます。
今回はこちらの控除シミュレーションを使います。
こちら → 控除シミュレーション
飛びましたら、詳細シミュレーションをクリックしてください。
そして、
(1)総収入金額の欄は空欄で構いません。
(2)給与所得控除後の金額には先ほど計算した給与所得と雑所得の合計額を加算してください。
(3)所得控除額の合計額には先ほど計算した所得控除の合計額を記載してください。
そうして出てくる金額が限度額の目安です。
あくまでも目安の金額ではありますので、ある程度金額に余裕を持ってふるさと納税すると
良いでしょう。
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※こちらの計算方法が面倒、難解という方は下記の「控除額の上限」のページに飛んで以下の方法を試してみてください。
1、給料と年金の今年の年額の合計額を見積もる(共に社会保険料と源泉徴収前の金額)
2、ページにある表の「給与収入」の金額を給料の年額と年金の年額の合計額にすればおおよその目安が分かります
3、2以外の方法としてページの「控除の上限額をシミュレーションする 」をクリックするとエクセルがダウンロードできますので(スマホは不可)、エクセルの「給与収入額」を給料と年金の年額の合計額にすればおおよその金額は分かります。
こちら → 控除額の上限
もう一つの方法としては、税理士の力を借りるというものもあります。
ちなみに私は引退していますのでご勘弁を・・・。
このようなことで税理士の力を借りるのは勿体ない・・・
と思うかもしれませんが、税理士に頼るのは限度額を知るためだけではありません。
今後の相続のためでもあります。
税理士が付いていない方の相続の開始があるとどうなるのか?
・対策が何もされていないから余計に税金を納める可能性がある
・相続人の方々が税理士探しをするところから始めなければならない
・申告に役立つ書類が捨てられていて、財産の申告漏れなどのリスクがある
等のリスクがあります。
しかし、今のうちに税理士を付ければどうなるか?
・確定申告はお任せ
・ふるさと納税の限度額について何でも聞けるから安心
・相続税の概算額も教えてもらえる
・相続対策も取ってもらえる
・万が一申告書を捨ててしまっても税理士事務所にデータが残っているため、財産の申告漏れのリスクが少ない
・所得税の確定申告を通じて納税者のことを把握するため、相続税の税務調査が来ても安心
等があります。
特に相続税は所得税と比べて税務調査の確率がはるかに高いのでなじみの税理士がいれば大変心強いです。
しかし、相続税の申告・相続対策に関しては税理士によって腕前が様々です。
そもそも、税理士によっては相続税の申告のできない方もいますので、町の税理士さんにふらっとお願いに行っても大けがをする可能性があります。
そのために、ふるさと納税の相談に乗ってくれて、しかも相続税に強い税理士を探す必要があります。
最近では税理士の紹介をするサービスがあり、こちらなどはきっちりと審査に通った税理士のみを紹介していますし、断る場合もこちらの会社宛てに伝えれば良いので安心です。
紹介も無料です。
利用する際は「確定申告のご依頼」でお願いして、お問い合わせ内容には「ふるさと納税をしているため限度額が知りたい。将来のことを考えて相続の経験豊富な税理士を紹介してほしい」といったことを書いておくようにしましょう。
詳しくはこちら
こちら ⇊
このサイトの管理人
東京税理士会に所属していた元税理士。
所得税の確定申告では不動産賃貸業、コンサルタント、医師など数多くのクライアントの申告業務に関わってきました。
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