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退職金がある場合のふるさと納税の限度額について

年の中途で転職したために退職した方、年の中途で定年を迎えて退職したために退職金をもらった方、色々な方がいると思われます。
退職金をもらった場合にはふるさと納税の限度額について変動はあるのでしょうか?

そのような問い合わせもかなりいただきますので、気になっている方が多いのでしょうね。


退職金をもらった場合にはふるさと納税の限度額が増える可能性があります。
といっても増える可能性があるのはごく一部で、大体の方は増減なしになると思われます。

確認のためには源泉徴収票が必要になりますので、退職所得の源泉徴収票を手元にご用意ください。

退職所得の源泉徴収票はこれのことです。

 

退職金でふるさと納税の限度額が変わらない方はどのような方か?

支払金額の横にある源泉徴収税額をご覧ください。

源泉徴収税額の金額が0または空欄の方は退職金でふるさと納税の限度額が変わることはございません。

大体の方はこれに該当するのではないかと思います。

 

退職金でふるさと納税の限度額が変わる方

源泉徴収税額の金額が記入されている方がこれに該当します。。
この方はふるさと納税の限度額が上がります。

そして、ふるさと納税することによって退職金の所得税の還付を受けることも出来ます。
そのため、ふるさと納税によって所得税の還付、住民税の軽減を受けることが出来ます。

 

 

退職金があるとふるさと納税限度額はどのくらい変わるのか?

今回は退職金がある場合のふるさと納税の限度額がどのくらい変わるかを簡易的に計算する場合と、詳細に計算する場合に分けてみました。

お好みに合った方法をご選択ください。

 

簡易的に計算する場合

収入が退職金のみの場合

この場合には先ほどの源泉徴収票の特別徴収額を見ます。

図では6万円と4万円の計10万円であることが分かります。
基本的に限度額はこの特別徴収額の25%~45%程度になります。
つまり、今回の例だと2万5千円~4万5千円増えることになります。

これは、退職金の額が大きくなればなるほど45%に近づき、小さくなれば25%に近づきます。
所得税額が超過累進税率で計算されているのと関係しています。

25%の増加と見積もっておけば無難といえます。

 

収入が給与と退職金の場合

まずは、こちらのリンク先の「簡単シミュレーション」の項目に年収、家族構成を入れてみてください。
こちら → 控除シミュレーション

ちなみに今年の年収や所得控除がある程度把握出来ている方は下の「詳細シミュレーション」を使えばより正確な数値が出ます

この簡単シミュレーションで計算しようとする人が、年収500万円の男性で、奥様は専業主婦だとします。
そうなると、「あなたの給与収入」500万円、「あなたの家族構成」は夫婦又は共働き+子1人(高校生)になりますので計算結果が4万7千円になると思います。

 

計算された限度額に先ほどの「収入が退職金のみの場合」で計算される限度額(特別徴収額の25%~45%)を加算してください。

退職金の限度額を25%(2万5千円)と見積もると、4万7千円+2万5千円で7万2千円になります。
これが簡易的に計算した場合のふるさと納税の限度額です。


 

詳細に計算する場合

こちらの控除シミュレーションで計算することが出来ます。
ただ、こちらの控除シミュレーションはあくまでも参考数値ですので、こちらで算出された金額ギリギリまでふるさと納税したりするのは限度額を超える可能性があるのでおススメできません。

このページの下部に入力すべき金額の説明がありますので、ご覧になってから控除シミュレーションをご利用ください。

→ 控除シミュレーション

以下のリンク先には


(1)総収入金額

(2)給与所得控除後の金額

(3)所得控除額の合計額


の3項目がありますが、これらの項目には以下の金額をご記入ください。
収入が退職金だけの方給料と退職金がある方で異なってきます。

 

収入が退職金だけの方

(1)総収入金額

こちらは記入不要です。0のままで大丈夫です。
 

(2)給与所得控除後の金額

退職所得の源泉徴収票をご用意ください。
支払金額から退職所得控除額を控除した金額の2分の1の金額をご記入ください。

例:退職金500万円、退職所得控除額360万円の場合
(500万-360万)÷2=70万円

この場合には70万円と記入します。

計算が苦手な方はこちらで計算すると良いでしょう。

こちら→ 退職所得計算フォーム

こちらで計算された退職所得の金額を記入してください。
 

(3)所得控除額の合計額

本年分の所得控除額を計算します。

昨年の給料の源泉徴収票の金額を参考にするか、こちらのカシオの計算サイトがありますので、こちらで計算すると良いでしょう。
こちら → カシオの計算サイト

こちらのサイトで、まず一番上の年度をふるさと納税をする年にし、
次に、<配偶者>、<扶養親族の数>(配偶者除く)、<障害者の数>(受給者除く)、<保険料等の控除>に金額を記入して「計算」ボタンを押すと「所得控除の額の合計額」に金額が記入されますのでその金額をご記入ください。

社会保険料などは年末にならないと年額は分からないと思いますので、昨年の給料の源泉徴収票に記載されている数値を概算額で使うか、今年払った金額とこれから払うと思われる金額の合計額でもいいと思います。
そして、もし今年の医療費があったら、「1年分の医療費-10万円」を加算してください。

この、(2)と(3)の数値を入力することで退職所得のみの方のふるさと納税限度額の概算額が分かります。

 

給料と退職金がある方

1、(1)総収入金額

0で構いません。
 

2、(2)給与所得控除後の金額、(3)所得控除額の合計額

その年の年末調整済みの給与所得の源泉徴収票をお持ちの方の場合

次の①から⑥の手順で計算します。

①、源泉徴収票に記載された「給与所得控除後の金額」を(2)給与所得控除後の金額に入力してください。

②、(3)所得控除額の合計額には源泉徴収票の所得控除の額の合計額を記入してください。もし、医療費控除を受ける方は「1年分の医療費-10万円」を加算してください。
すると限度額が計算されます。

この限度額が、給料と所得控除を考慮したときの限度額です。

③、ここで計算された限度額をメモしておいてください。

④、(2)給与所得控除後の金額に
「(退職金ー退職所得控除額)×1/2」
で計算した金額を入力してください。
「(退職金ー退職所得控除額)×1/2」を計算するのが面倒な方はこちらをご利用ください。

→ 退職金の計算

⑤、④の数字を入力した場合に計算される限度額をメモしてください。④の数字を計算する場合には(3)所得控除額の合計額は0にしておいてください。

⑥、③の数字と⑤の数字の合計額が退職金と給料のある方の限度額です。

退職金が分離課税であるため、給料と退職金は別々に計算することになります。

 

その年の年末調整済みの給与所得の源泉徴収票をお持ちでない方の場合

給与所得の源泉徴収票は年末でないともらえないので多くの方はこちらに該当すると思います。
次の①からまでの手順で計算して下さい。


①、まずはこちらのカシオの計算サイトで給与所得控除後の金額と所得控除額の合計額を計算します。
こちら→ カシオの計算サイト

②、こちらのサイトでまず一番上の年度をふるさと納税をする年にし、
次に<受給者>、<配偶者>、<扶養親族の数>(配偶者除く)、<障害者の数>(受給者除く)、<保険料等の控除>に金額を記入して「計算」ボタンを押して算出された給与所得控除後の金額所得控除の額の合計額を使います。
給料は年収の見込み額を入力し、<保険料等の控除>は1年分の金額が予測がつく方は入力し、分からなければ昨年の源泉徴収票の数値を入力するといいでしょう。

③、②の給与所得控除後の金額を(2)給与所得控除後の金額に入力し、所得控除の額の合計額を(3)所得控除額の合計額に入力します。
すると限度額が計算されます。
この限度額が、給料と所得控除を考慮したときの限度額です。

④、③で計算された限度額をメモしてください。
次に退職金の限度額を計算します。

⑤、(2)給与所得控除後の金額に
「(退職金ー退職所得控除額)×1/2」
で計算した金額を入力してください。
「(退職金ー退職所得控除額)×1/2」を計算するのが面倒な方はこちらをご利用ください。

→ 退職金の計算

⑥、⑤の数字を入力した場合に計算される限度額をメモしてください。⑤の数字を計算する場合には(3)所得控除額の合計額は0にしておいてください。

 

これで退職金がある場合のふるさと納税の限度額が計算できますので、ぜひ試してみてください。

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このサイトの管理人

東京税理士会に所属していた元税理士。

所得税の確定申告では不動産賃貸業、コンサルタント、医師など数多くのクライアントの申告業務に関わってきました。

ふるさと納税制度を身近に感じていただきたくこのサイトを作成いたしました。

 

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