複数から給料を受けている方の所得税計算について
2か所以上から給与を受けている方もいると思いますが、そのような方の確定申告における所得税の計算の方法をお教えいたします。
ちなみに複数から受けている方でも
・給与の総額が年間2千万以下
・「メインではないところ(金額の低いところ)からもらった給与」と、「給与所得、退職所得以外の所得」の合計額が20万円以下
これら二つの要件を満たしている方は確定申告する必要はありません。
もちろん、年末調整をしていない、医療費控除やふるさと納税で還付を受けたい方は確定申告をする必要があります。
なお、確定申告の際は1年間でもらった源泉徴収票を全てご用意ください。
特にこの部分の金額が大事になってきます。
まず、税金計算は次のような流れで行われます。
・所得の金額(収入-経費)を確定(給与の場合は収入-給与所得控除額)
・所得控除の金額を確定
・所得の金額から医療費や保険料といった所得控除の金額を控除し、課税所得控除額を算出
・課税所得金額に税率を乗じ、所得税の金額が出ます
・所得税に復興特別所得税を加算(所得税の2.1%分です)
・所得税と復興特別所得税の合計額から源泉徴収税額等を引きます
こちらは給与を1か所から受けていようが、複数から受けていようが変わりはありません。
一番悩むのは給与所得の金額の計算方法ではないでしょうか?
1、給与所得の計算
複数から給与を受けている方の給与所得の計算方法は次のようになります。
①1年間で受けた給与の総額(複数から受けた全ての給与を含めます)
②①の金額に応じた給与所得控除額
③①-②=給与所得の金額
以上のようになります。
ポイントとしては給与所得控除額を1か所ずつ計算するのではなく、支払いを受けた全ての給与の合計額で計算するということです。
2、所得控除
・メインの給与の支払先で年末調整をしている方
源泉徴収票の「所得控除の額の合計額」に医療費控除額やふるさと納税による寄付金控除額を加えてください。
その金額が所得控除の額の合計額となります。
そのために、源泉徴収票の他、医療費控除の明細、寄付金の受領証が必要になります。
・年末調整を受けていない方
1年分で支払った社会保険料(おそらく源泉徴収票に記載されてます)、生命保険料、地震保険料の控除証明書、医療費控除の明細書、
ふるさと納税による寄付金の受領証が必要になります。
これらの書類を基に計算した控除額に、配偶者控除額、扶養控除額、基礎控除額を加えて所得控除の額の合計額が計算されます。
3、税金計算
1の給与所得の金額から2の所得控除の額の合計額が課税所得金額です。
その金額に税率表に応じた金額を計算します。
税率表はこちら ➡ 所得税率
所得税額が出たら、その金額に2.1%を乗じた金額(復興特別所得税)を加算します。
その合計額から全ての源泉徴収票に記載されている源泉徴収税額や予定納税を7月、11月に納付している方はその金額を差し引きます。
差し引いて、金額がプラスだったら百円未満切り捨てしてください(下二けたを「00円」にする)
これで所得税計算は終わりです。
基本的には給与所得の計算方法で、給与の総額から給与所得控除額を計算する
ということだけ知っていれば、あとは1か所から給与を受け取っている場合と特に変わりません。
ただ、メインでないところの給料の金額次第では所得税率が一気に上がって、
毎月源泉徴収税額を納付しているのに確定申告の際に収める税額が大きくなることもありますので、ご注意ください。
このサイトの管理人
東京税理士会に所属していた元税理士。
所得税の確定申告では不動産賃貸業、コンサルタント、医師など数多くのクライアントの申告業務に関わってきました。
ふるさと納税制度を身近に感じていただきたくこのサイトを作成いたしました。
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